★カシミールの商人
最近ニュースになることが多かったチベットの僧侶ダライラマが住む町
アッパーダラムサラから、1時間ほど山道を登ったところで撮った1枚です。
妻と岩に腰を下ろして休んでいると・・・1人の男が山道を下ってきました。
挨拶を交わすと、僕らのすぐ横に荷物を下ろして煙草をふかしはじめ・・・
何かを売りつけられるのかと用心していると、
ボソボソと話しかけてくるではないか(^^;)
どうやら大きな荷物を背負ってカシミールからやってきたらしい。
この当時、カシミール辺りはパキスタンとの緊張で、
旅行者はまず入れなかった地域です。
興味があったので、拙い英語を交えながら身振り手振りで会話をしました。
家族のこと、仕事のこと、ヤクなど動植物のこと、兵士のこと・・・
初めて日本人と話す彼の表情が面白く、僕は彼にカメラを向けました。
すると彼は突然カメラを指さして「触らせてくれ!」
まぁめずらしいのかなぁ日本製?くらいな気持ちで手渡すと、
カメラに穴があくのでは?と思うぐらいに直視している。
そのあまりに真剣な姿を、予備のカメラにおさめようと妻が‘写るんです’を取り出すと・・・
彼は手に持ったカメラを僕に返し、妻が持っていた写るんですを指さして
「ショールと交換してくれ!」と言い出した。
写るんですなどあげてもかまわないけど、はたしてこんな山奥で現像できるのか?
と思って断ると、持ってきたショール全てと交換してくれと荷物を開き出してしまった(^^;)
本物のパッシミナ! 売りつけられるどころか、わらしべ長者だ。。。
・・・結局、インドでは使用できない、というような説明をして、、、なんとか諦めてもらった。
使えないかもしえない物と、
日本に持ち帰れば1枚数万はするであろう物とを
交換する気にはどうしてもなれなかった。。。
今思えば、器用に改造して使うか、売るつもりだったのかもしれない。
日本製のカメラを、使っている い~や
持っているだけで、彼は村のヒーローだったのかもしれない。。。
紙で作られた使い捨てカメラに、彼はどんな価値観を懐いたのだろか(^^;)?
取替えときゃよかったかな
こう暑いとねぇ・・・(^^;)
97年の若かったママとカシミールオヤジ
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